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大地の恋
第2章 若葉の頃
「だって私は恭也が真優ちゃんを好きでたまらなくなっちゃったから振られたんだもの」


「……そうなんですか?」


思わず先生を見ると……



ムッツリ顔。



「DNAの保存も順調みたいでなによりだわ」



「……嫌味?」


「あなたにはね」


カラカラと鞠華さんは笑い私の手を取る。


「真優ちゃんには純粋に会いたかったの。ねえ、赤ちゃんみせて?」


「あ、はい」


そして家の中に招き入れようとすると…




「……振られた?」


ボソリと呟くその人は、気配もなく鞠華さんたちの背後に立つ悠月の手を引いたお義母さん……



「あ、おかえりなさい」


「ちょっと聞き捨てならない話ね。真優ちゃん、こちらの方は?」


「……恭也さんのお友だちです」


理穂さんと鞠華さんは誰?と不思議な目でお義母さんを見ている。
確かにお義母さんの容姿だと先生のお母さんとは一見誰も思わないからそれは不思議に違いない。


「恭也お姉さんなんかいたっけ?」


「………」


「あなたたち、うちのお嫁さんに何か用かしら」


「嫁!?嫁って…」


信じられないものを見るかのように二人の目がお義母さんを凝視する。


「まさかここから愛憎劇が始まるんじゃ…」


「違いますよお義母さーん…」


韓流好きなお義母さんの頭の中では瞬時にストーリーが出来上がってしまったようで。


「昔の文句があるならこのバカに直接言ってちょうだい!真優ちゃんは関係ないんですからね!」


「文句なんてないですよー。今は真優ちゃんも交えてみんなすっかりお友だちなんで」


理穂さんの言葉にお義母さんの髪の毛が逆立つ。


「そんな都合のいい話があるわけないじゃない!!……ってもしかしてあなたまで!?恭也まさか真優ちゃんと付き合いながら三股なんてしてなかったでしょうね!?その報復に来たとかじゃないの!?お母さんそんな獣にアンタを育てた覚えはないわよ!!」


「落ち着いてお義母さん…」


キーキー怒るお義母さんをなだめながら先生のこめかみに青筋が立っているのを私は見逃さなかった。
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