この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Re:again
第14章 【夢から醒めるとき】
長い滞在なのに実家には戻らず、別に部屋を借りていた爽介。
事情があったのだと納得する。
「甥っ子‥ユウっていうんだ。ユウが事故で亡くなったことも、カレンとダメになったことも‥帰郷してから初めて聞かされた。
…最初は“離婚した”って聞かされてたんだ。僕も真央も。
心の傷を癒すためにこっちに帰ってきたんだと思ってた。
5月の頭に、爽ちゃんに呑みに誘われた。
変だったから問い詰めたら、カレンと離婚が成立していないこと、みーちゃんに逢って動揺していることを吐いたよ。
呆れた。身辺整理もまだなのに、初恋の女を追い掛けるなんて…
“まずは身綺麗にしろ”ってたしなめた。
それで、貴史先輩にみーちゃんに逢わせてってお願いしたんだ」
孝介をじっと見つめる。
しきりに孝介は苦笑いを浮かべた。
「誤解して欲しくないのは、僕がみーちゃんに会いたかったのは本当。
だけどそれ以上に、その時点ではふたりのことが心配だった。
誰が見たって、まともに恋愛出来る状態じゃなかったよ、爽ちゃんは。
初恋の相手に再会して、のぼせあがって何も見えなくなっていた。
―寂しさの裏返しかも知れないけど……
爽ちゃんが暴走しないように見張ってるつもりだった。
その時まではね」
孝介が険のない柔らかな笑みを浮かべた。
いつもの笑みとは様子が違っていた。
本当の孝介は、こんな風に笑うのだと知った。
「みーちゃんがもっと嫌な女になってくれてたら良かったのに…。
一目見て、愕然としたよ。逢いに来なけりゃ良かったって後悔した。
だってお前、昔のまんまなんだもん。相変わらずちんちくりんだし、ぼーってしてるし、トロくさくてイライラする。
いつも予想の斜め上の動きを見せるし、始末に負えない。
…一気に、時計の針が巻き戻された。
昔に戻ったように錯覚してしまったよ。
オブザーバーのつもりが、気が付いたら僕までみーちゃんのコトが欲しくなっちゃった」
事情があったのだと納得する。
「甥っ子‥ユウっていうんだ。ユウが事故で亡くなったことも、カレンとダメになったことも‥帰郷してから初めて聞かされた。
…最初は“離婚した”って聞かされてたんだ。僕も真央も。
心の傷を癒すためにこっちに帰ってきたんだと思ってた。
5月の頭に、爽ちゃんに呑みに誘われた。
変だったから問い詰めたら、カレンと離婚が成立していないこと、みーちゃんに逢って動揺していることを吐いたよ。
呆れた。身辺整理もまだなのに、初恋の女を追い掛けるなんて…
“まずは身綺麗にしろ”ってたしなめた。
それで、貴史先輩にみーちゃんに逢わせてってお願いしたんだ」
孝介をじっと見つめる。
しきりに孝介は苦笑いを浮かべた。
「誤解して欲しくないのは、僕がみーちゃんに会いたかったのは本当。
だけどそれ以上に、その時点ではふたりのことが心配だった。
誰が見たって、まともに恋愛出来る状態じゃなかったよ、爽ちゃんは。
初恋の相手に再会して、のぼせあがって何も見えなくなっていた。
―寂しさの裏返しかも知れないけど……
爽ちゃんが暴走しないように見張ってるつもりだった。
その時まではね」
孝介が険のない柔らかな笑みを浮かべた。
いつもの笑みとは様子が違っていた。
本当の孝介は、こんな風に笑うのだと知った。
「みーちゃんがもっと嫌な女になってくれてたら良かったのに…。
一目見て、愕然としたよ。逢いに来なけりゃ良かったって後悔した。
だってお前、昔のまんまなんだもん。相変わらずちんちくりんだし、ぼーってしてるし、トロくさくてイライラする。
いつも予想の斜め上の動きを見せるし、始末に負えない。
…一気に、時計の針が巻き戻された。
昔に戻ったように錯覚してしまったよ。
オブザーバーのつもりが、気が付いたら僕までみーちゃんのコトが欲しくなっちゃった」