この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Re:again
第14章 【夢から醒めるとき】
きっと私は、無意識の内に涼平の気持ちを試そうとした。
すべては私が引き起こしたこと。
先のことも、他人の気持ちも考えずに自分勝手な振る舞いが引き起こしたこと―
「みーちゃん!もう良いよ。何も話さなくて良い。僕が悪かった……」
孝介の暖かな腕が私の身体に巻き付けられる。
本当は、こんな風に優しくしてもらえる権利なんて私にはないのだ。
『聞いて―私がどうやって生きてきたのか。誰かに好いてもらえるような人間じゃない。私は人間じゃ、ない。やり直せるチャンスがあった。
《彼》との暮らしは、分岐点だったの。
なのに、私はみすみすそのチャンスを棒に振った。馬鹿な私でも、《彼》は好きだって言ってくれたのに。
ずっとそばにいてくれたのに。
私は被害者なんかじゃない。加害者だよ』
涼平は5人を叩き出し、私に服を着せておぶって病院に連れて行ってくれた。一言も交わさなかった。
欲望の後の処置がなされたのかどうかは記憶にない。
身体中の痛みに呻き、手当てを受けることが精一杯だった。
顔の被害が一番顕著だった。
目蓋は腫れ上がり、無傷の箇所の方が少なかった。
膣は裂傷を負い、右肩が脱臼していた。
他にも打撲や小さな切傷も負ったが、そんなものは大したことではなかった。
涼平も利き手を粉砕骨折していた。
ろくに他人に拳を奮ったこともないだろうに、滅茶苦茶に叩きつけたのだ。
涼平は怪我の治療を拒み、私の身体ばかり心配していた。
どうにか涼平も治療を受け、帰宅した。
私は病院に検査入院することになった。
暴力と性の残り香がする血の海と化した部屋で、涼平がその夜、ひとりでどのように過ごしたのかを考えると呆然としてしまう。
病院に3泊し、帰宅した。
1泊の予定だったが、怪我を訝しんだ病院が、警察に通報したのだ。
涼平は事実を隠した。
自分が私に手をあげたのだと言った。
被害届を出すかどうか警官から尋ねられたが、もちろん出さなかった。
すべては“痴話喧嘩”として、つつがなく処理された。
涼平と共にタクシーで帰宅した。
部屋はこざっぱりと清められ、ベッドがなくなっていた。
すべては私が引き起こしたこと。
先のことも、他人の気持ちも考えずに自分勝手な振る舞いが引き起こしたこと―
「みーちゃん!もう良いよ。何も話さなくて良い。僕が悪かった……」
孝介の暖かな腕が私の身体に巻き付けられる。
本当は、こんな風に優しくしてもらえる権利なんて私にはないのだ。
『聞いて―私がどうやって生きてきたのか。誰かに好いてもらえるような人間じゃない。私は人間じゃ、ない。やり直せるチャンスがあった。
《彼》との暮らしは、分岐点だったの。
なのに、私はみすみすそのチャンスを棒に振った。馬鹿な私でも、《彼》は好きだって言ってくれたのに。
ずっとそばにいてくれたのに。
私は被害者なんかじゃない。加害者だよ』
涼平は5人を叩き出し、私に服を着せておぶって病院に連れて行ってくれた。一言も交わさなかった。
欲望の後の処置がなされたのかどうかは記憶にない。
身体中の痛みに呻き、手当てを受けることが精一杯だった。
顔の被害が一番顕著だった。
目蓋は腫れ上がり、無傷の箇所の方が少なかった。
膣は裂傷を負い、右肩が脱臼していた。
他にも打撲や小さな切傷も負ったが、そんなものは大したことではなかった。
涼平も利き手を粉砕骨折していた。
ろくに他人に拳を奮ったこともないだろうに、滅茶苦茶に叩きつけたのだ。
涼平は怪我の治療を拒み、私の身体ばかり心配していた。
どうにか涼平も治療を受け、帰宅した。
私は病院に検査入院することになった。
暴力と性の残り香がする血の海と化した部屋で、涼平がその夜、ひとりでどのように過ごしたのかを考えると呆然としてしまう。
病院に3泊し、帰宅した。
1泊の予定だったが、怪我を訝しんだ病院が、警察に通報したのだ。
涼平は事実を隠した。
自分が私に手をあげたのだと言った。
被害届を出すかどうか警官から尋ねられたが、もちろん出さなかった。
すべては“痴話喧嘩”として、つつがなく処理された。
涼平と共にタクシーで帰宅した。
部屋はこざっぱりと清められ、ベッドがなくなっていた。