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Re:again
第14章 【夢から醒めるとき】
「―この夏、俺と出逢ったコト後悔してる?」
『どうして?』
「俺はお前の日常を壊したじゃん。
俺のせいで、お前は辞表を出しただろ?
引越しだって―」
『後悔してないよ』
俯く爽介を下から覗き込む。
『爽介に逢えて嬉しかった。
毎日がドキドキして、楽しかった。色んな感情を思い出した。
爽介に再会しなかったら、私は今も眠ったままで毎日をやり過ごしていたと思う。
…私の眼を、覚ましてくれてありがとう―』
「俺が向こうの暮らしのコトを隠さなければ、もっと違った結果になったか?
俺はお前といっしょにいたい……」
爽介が私の身体をきつく抱き締めた。
『どうだろう…やっぱり、どこかで駄目になっていたかも知れない。爽介を想う気持ちに嘘はないの。
ずっと好きだったし、今も好き。
だけど、どこかで不安に思う気持ちがあった。
考えたくないことから目を反らすために、爽介に逃げていた気がする。
昔の爽介ではなく、今の爽介が好きだと言い切れない……こんな状態じゃ、いっしょには暮らせない』
「そばにいたら気持ちが変わることもある。みちるが今の俺を好きだと言ってくれるまで、待つから…努力するから」
『努力なんて、しなくていい。無理をするようなことじゃないもの…』
「みちる……」
『爽介じゃなくて、私自身に問題があるの。私は、私のことが好きじゃない。自分のことを信用していない。
だからきっと、爽介を信用しきれない。
爽介への気持ちに確信を持つことが出来ない…私が、変わらなくちゃ』
「俺は、そんなお前が好きだよ。不器用なお前が好きだ」
貰ったネックレスを差し出したけれど、爽介は受け取らなかった。
「‥男に恥をかかせんな。いらねぇなら捨てろよ」
口振りが爽介らしくて笑った。
ネックレスの箱を見つめ、バッグにしまう。
『爽介‥1つだけ訊いてもいい?爽介を傷付ける質問かも知れない。無理に答えてくれなくてもいい。
こどもを欲しがっていたのは、こどもさんを亡くしたから―?』
『どうして?』
「俺はお前の日常を壊したじゃん。
俺のせいで、お前は辞表を出しただろ?
引越しだって―」
『後悔してないよ』
俯く爽介を下から覗き込む。
『爽介に逢えて嬉しかった。
毎日がドキドキして、楽しかった。色んな感情を思い出した。
爽介に再会しなかったら、私は今も眠ったままで毎日をやり過ごしていたと思う。
…私の眼を、覚ましてくれてありがとう―』
「俺が向こうの暮らしのコトを隠さなければ、もっと違った結果になったか?
俺はお前といっしょにいたい……」
爽介が私の身体をきつく抱き締めた。
『どうだろう…やっぱり、どこかで駄目になっていたかも知れない。爽介を想う気持ちに嘘はないの。
ずっと好きだったし、今も好き。
だけど、どこかで不安に思う気持ちがあった。
考えたくないことから目を反らすために、爽介に逃げていた気がする。
昔の爽介ではなく、今の爽介が好きだと言い切れない……こんな状態じゃ、いっしょには暮らせない』
「そばにいたら気持ちが変わることもある。みちるが今の俺を好きだと言ってくれるまで、待つから…努力するから」
『努力なんて、しなくていい。無理をするようなことじゃないもの…』
「みちる……」
『爽介じゃなくて、私自身に問題があるの。私は、私のことが好きじゃない。自分のことを信用していない。
だからきっと、爽介を信用しきれない。
爽介への気持ちに確信を持つことが出来ない…私が、変わらなくちゃ』
「俺は、そんなお前が好きだよ。不器用なお前が好きだ」
貰ったネックレスを差し出したけれど、爽介は受け取らなかった。
「‥男に恥をかかせんな。いらねぇなら捨てろよ」
口振りが爽介らしくて笑った。
ネックレスの箱を見つめ、バッグにしまう。
『爽介‥1つだけ訊いてもいい?爽介を傷付ける質問かも知れない。無理に答えてくれなくてもいい。
こどもを欲しがっていたのは、こどもさんを亡くしたから―?』