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Re:again
第14章 【夢から醒めるとき】
「そばにいたら私を見てくれるんじゃないかって…好きになってくれるんじゃないかって……でも、葵は常にあなたを見ていました。
私のそばにいても、視線があなたを探していました…私は葵に、あんな風に見つめられたことはありません。
川に落ちた時も、私には見向きもしなかった。
葵は迷わずみちるさんを助けました……」
泣きじゃくる早織ちゃんの肩を抱き締める。
「‥葵は、私を抱きませんでした。
抱こうとはしてくれたけど、途中で泣き出してしまって―
葵の涙なんて初めて見ました……あの涙は、みちるさんのために流した涙だと思います。
私、自分の気持ちばかりを優先させて葵の気持ちは無視していました。
私が葵でなければ駄目なように、葵もみちるさんでなければ駄目なんです。
“心が痛い”と、葵は泣きました。
ふたりを引き離してしまってごめんなさい…ごめんなさい……」
早織ちゃんがしゃっくりをあげる。
『早織ちゃん。
私なんてね、嘘ばかりついて生きてきたよ。《これから》もきっと、嘘をついちゃうよ。自分を責めなくていいよ…私は大丈夫だから』
「どうして怒らないんですか?…」
『私には、早織ちゃんを怒る資格なんてない』
早織ちゃんが大きく息を吸い込んだ。
『私ね、爽介のことがずっと好きだったの。物心ついた時からずーっとね。爽介はちっちゃな時からスケコマシでね。
いつもヤキモチばっかり妬いてた…私にも早織ちゃんの気持ちがわかるから…恋する気持ちはわかるつもりだから…私には怒れないよ。あなたは…《いつかの私》だから』
「みちるさん、ずるいです!
…あなたのことが、嫌いになりたい……
…私はあなたになりたい…」
『ごめんね…私は早織ちゃんと同じ歳になりたい。
そしたら今度はちゃんと、生きたいな…』
「みちるさん、本当にいいんですか?
このまま葵と離れてしまってもいいんですか?」
微笑みながら、首を横に振った。
早織ちゃんはより一層、激しく泣いた。
*****
早織ちゃんの涙が乾いた頃、彼女を途中まで送っていった。
『ここで大丈夫?』
「はい。‥色々とすみませんでした」
私のそばにいても、視線があなたを探していました…私は葵に、あんな風に見つめられたことはありません。
川に落ちた時も、私には見向きもしなかった。
葵は迷わずみちるさんを助けました……」
泣きじゃくる早織ちゃんの肩を抱き締める。
「‥葵は、私を抱きませんでした。
抱こうとはしてくれたけど、途中で泣き出してしまって―
葵の涙なんて初めて見ました……あの涙は、みちるさんのために流した涙だと思います。
私、自分の気持ちばかりを優先させて葵の気持ちは無視していました。
私が葵でなければ駄目なように、葵もみちるさんでなければ駄目なんです。
“心が痛い”と、葵は泣きました。
ふたりを引き離してしまってごめんなさい…ごめんなさい……」
早織ちゃんがしゃっくりをあげる。
『早織ちゃん。
私なんてね、嘘ばかりついて生きてきたよ。《これから》もきっと、嘘をついちゃうよ。自分を責めなくていいよ…私は大丈夫だから』
「どうして怒らないんですか?…」
『私には、早織ちゃんを怒る資格なんてない』
早織ちゃんが大きく息を吸い込んだ。
『私ね、爽介のことがずっと好きだったの。物心ついた時からずーっとね。爽介はちっちゃな時からスケコマシでね。
いつもヤキモチばっかり妬いてた…私にも早織ちゃんの気持ちがわかるから…恋する気持ちはわかるつもりだから…私には怒れないよ。あなたは…《いつかの私》だから』
「みちるさん、ずるいです!
…あなたのことが、嫌いになりたい……
…私はあなたになりたい…」
『ごめんね…私は早織ちゃんと同じ歳になりたい。
そしたら今度はちゃんと、生きたいな…』
「みちるさん、本当にいいんですか?
このまま葵と離れてしまってもいいんですか?」
微笑みながら、首を横に振った。
早織ちゃんはより一層、激しく泣いた。
*****
早織ちゃんの涙が乾いた頃、彼女を途中まで送っていった。
『ここで大丈夫?』
「はい。‥色々とすみませんでした」