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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
「綾瀬瑠璃さんとはどういったご関係ですか?」

男は洋輔を一瞥して鼻で笑った。

「あんたバカ?
 いきなり現れた探偵に明け透けに話す奴なんている?」

そして煙をはいた。


「そうですね。
 失礼しました。

 では、改めて

 瑠璃とはどういった関係なんですか?」

男は一瞬顔を歪め洋輔を睨んだ。

"瑠璃"と呼び捨てにしたことが引っ掛かったのだろう。

洋輔は煙草を深く吸い込み、ゆっくりと吐き出した。そして今までにない笑顔を顔に載せて

「実は瑠璃とは長い付き合いでしてね。
 初めて出会ったのは彼女が高校生の時です。

 しばらく会ってなかったんですが

 たまたま瑠璃に関係する依頼がありまして」

「なら、本人に聞けばいいじゃないですか?」

男は今だ不信感を拭えないようだ。

洋輔を横目に見ながら灰皿に煙草を潰した。

 
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