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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
「失礼致します」

コーヒーを持って秘書が現れた。
スカート丈や開襟の開き具合から何の目的の秘書かはすぐに想像できる。

「叔父様、新しい秘書の方?」

美樹は秘書を一瞥して叔父に笑顔を向けた。

「ああ。裕子だ。
 よろしくな」

叔父は美樹の前にも関わらずその秘書の腰を抱き尻を撫でた。

美樹は不快な顔を向けたが叔父は気付いていない。

「実は高橋のことで教えてほしいことがあるの」

「高橋くんか?」

「ええ。どうもまた浮気をしているみたいなんだけど...」

「ははは。高橋くんの浮気なんて今更始まったことじゃなかろう。それに美樹もそれは好都合なんじゃないのか?」

叔父は美樹に意味深な視線を送った。

「まあね」

美樹もテーブルにあるタバコに手を伸ばした。

「それが今更なんだ?」

叔父は大いに笑いながら鼻から煙を吐いている。

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