この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
疑問を抱えながら、結局あたしはナツに浴室に放り込まれ、体をゴシゴシ洗いながら、訝り続ける。
途中、必要以上に頻繁に声をかけてきて、浴室のドアを開けたがるナツを必死に追い返す。
しまいには、"お背中お流しします"と新婚さん(ただし嫁)のように恥じらいの声を響かせて、堂々と入ってこようとするナツ。
ドドドと猪の如く凄い物音をたてて、
――奈都、成人してもないのに、佐伯家で静流ちゃんとえっちなことは許しませんっ! はい、お片付けと静流ちゃんのお部屋の支度、明日の朝食の仕込み! ぶつぶつ言わないで、さっさとする!
おばさまの声がしてから、ナツは現れない。
おばさま、強し。
……だけど、佐伯家以外ならえっちをしてもいいってこと?
成人すればいいってこと?
よくわからない、佐伯家の性事情。
やはり普通とはちょっとずれているのかもしれない。
まぁ……淫魔であるママをよく知りつつ、その血を引いて目覚めつつあるあたしの事情を知りつつ、それでも息子を提供して好意的に接してくれているあたり、普通では無いのかも知れない。
開放的なのは、ありがたいとここは受け取ろう。
「………」
……あたしは体を洗いながら固まった。
泡立てたスポンジは、あたしのデリケートゾーン。
いつもと違う、ぬるりとした感触。
すぐに消えて行く白い泡。
「………」
……まぁ、あれです。
ハル兄のサックス姿に、はっちゃけても濡らしてしまっていたようです。
下着を脱ぐ時気づかないふりをしていたものの、すごい。
ハル兄のサックス姿を思い出すだけで、また凄いことになってくる。
「………」
ほんの好奇心だった。
泡を溶かす蜜がどれほどのものなのか……指で触ってみた。
「……んっ!!」
どろどろの感触よりは、待ちかねていたかのような自分の指の接触に、あたしは体をびくんと跳ねさせてしまったのだった。
反響する艶めかしいあたしの声に赤くなりながらも、それでもどうしてもあのハル兄の顔が、あたしとした時のハル兄の顔とたぶるようで、蘇る体の疼きが……さらなる刺激を求めてあたしの指を動かした。