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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。

 水嵩を増していく湯。

 熱くなる体。


 あたしの秘部に宛がわれたハル兄の手は動かない。

 ハル兄の手に宛がわれたあたしの手も動かない。


 ハル兄の舌だけがあたしの耳をいやらしくなぶる。

 サックスを吹いたあの唇が、あたしを啼かせようとするかのように、何度も食み、角度を変えて強弱をつけて攻めてくる。


「な、なんで……ハル兄……」


 もどかしい下半身と、ぞくぞくする耳からの快感に身をくねらせながら、息も絶え絶えに訴える。

 
「言っただろう? 俺、寝てねぇんだよ。だからおかしいんだよ。気が昂ぶってんだよ」


 譫言のように熱い息ごと耳もとに吹きかけながら、ねちゃりねちゃりと獲物をいたぶるように、あたしの耳を咀嚼する帝王。


「お前が精液切れなら、仕方が無く我武者羅に抱けるのに。なんでお前、ナツからすぐ貰うわけ?」

 髪をまとめて露わになっていたうなじに吸い付かれる。


「だから、仕方が無く……なにも出来ねぇじゃねぇかよ」


 十分していると思うハル兄は、それでもお気に召していないらしい。


「……シズ。なぁ、早くオナれよ。俺の手、あるんだぞ?」

「そんなこと言ったって……」

「俺……手は動かさねぇからな。すべてお前の意志なんだからな」


 そう言いながら、ハル兄は伸ばしていた自分の片足を突如たてて、あたしの両足の間に入れ……ハル兄ごとあたしの体勢を少し倒した。


「なぁ……動けねぇんだよ、俺は。早く、俺の手を動かせよ」


 ねだるように言いながら、ハル兄はたてた足を突如揺すり始めた。


「ハ、ハル兄……っ、動かさないって」


 ハル兄の震動が、足に密着している秘部に伝わってくる。


「足はいいんだよ、足は」


 また帝王様ルール発動なのか。


 焦れたように動かされた褐色の肌を持つその足。

 揺れるあたしの秘部は、自らの愛液のぬめりによって震撼する足によく擦れ合い、同時にただ置かれているだけのハル兄の手にも掠めてしまう。


「はぅ……んっ、あっ……あっあっあっ……」


 身を仰け反らして身を捩るあたしは、ハル兄の逞しい胸板に頬をすりつけて喘いでしまう。

 そんなあたしを、情欲を滾らせた瞳を細めて見ているハル兄。
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