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第7章 鬼畜帝王が暴走しました。

「なにこんなことぐらいで声上げてるんだよ。なぁ、シズ。もっと気持ちよくなれよ。もっとピンポイントで欲しいだろ？」


　いつものような不遜な語気はなく、誘惑のようにどこか甘ったるい。

　互いの息が乱れ合う。

　あたしの体が揺れる度に、あたしの顔を覗き込む帝王の顔。


　近づくその肉厚の唇が欲しい。

　喘いで戦慄いている唇を、半開きのその唇に合わせようとしたら、顔をそむけられた。


「駄目だって。言っただろう？　それは駄目だ」

　
　……駄目なら、どうして唇を近づけさせるの、ハル兄。

　どうしてそんなに苦悶に艶めいた顔で、息を乱してあたしの唇に重ね合わそうとするの？


「シズ……」


　ハル兄の足の愛撫が止まり、その手があたしの茂みの上を這う。


「欲しくねぇか？　この指。なぁ……今ならお前のモンだぞ？」


　あたしの秘部は濡れてすごいことになっているだろう。

　それでも……やはりひとりでシテいたのを見られたことが気恥ずかしくて。その通りに本人の手を使って、ひとりでシろと言われても素直にすることが出来なくて。


　その時、あたしの体を支えるハル兄の片手が、突如あたしの胸の蕾をぴんと指で弾いた。


「あああんっ」


　不意打ちの疝痛がじんわりとした甘い痺れとして体に拡がる。


「体は正直なのに……この強情」


　また弾く。


「ああっ、駄目っ！」


「こんなに勃ちあがらせて、なにが駄目だ。これなら食ってくれっていってるもんだぞ？」


　ハル兄の指が、蕾をつまみ……強く押し潰す。


「やあああんっ……！」


　体を跳ねらせた拍子でハル兄の、秘部にある手が深層に潜り込んだ。


「はぅぅぅんっ、あんっ……」


　直に触れてしまったハル兄の指。あたしの体が快感を求めて動き出す。

　立ち上る湯気に、あたしの意識も曇る。


　ああ、もうなにをしているのかよくわからなくなる。


「シズ……。すんげぇエロ。なぁ、さっきみたいにしてみろ？　お前の頭の中の俺から、どうされてた？　……教えろよ。その通りにしてやるから」


　首筋に這い回る濡れた舌。

　あたしの手は無意識にハル兄の手を弄っていた。