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目が覚めたら。
第7章 鬼畜帝王が暴走しました。
  


 ハル兄の悩みをなくすることが、あたしとナツの願い――。


 ハル兄の苦悩も軽く出来ずにこのまま帰ったら、あたしはなんのためにこの部屋に来たというんだ。



「あたしはここに居る」



 強い語気で言い切ると、またがぶりと噛みつかれた。

 この野生……消えてくれないかな。


 そう思いつつ、あたしを突き放そうとして離さない、孤独感を漂わせる……矛盾だらけの広い背中に向けて言った。



「……ハル兄。ナツから伝言。あたしにハル兄の悩みを解決して欲しいと、ナツが今日だけあたしのSP交代するって外に行った。一度だけ大人になるんだって意味不明なことを言ってたけど。

つまり、あたしはナツ公認のもとハル兄のところにいます、あしからず」


 するとハル兄は途端に手を簡単に離し、今度は困ったように頭を両手で抱えてもがきはじめた。



 ふぅふぅ……。


 あたしは、手の甲に赤くくっきりついた歯形に息をかける。

 容赦ないな、なんでここまで深く噛みつくかな。


「……ナツ、気づいているのか? まさか……でもED疑惑の段階でシズが解決できるとか、夜を俺に譲るとか……。………。……駄目だ、これは後で考えよう。まずは、アイツが譲歩した1度をどうするかだ。ここは押し返すべきか? けどナツを思えば……。つーか、EDの俺が1度でなにができるって? ナツ……俺のEDを甘く見てるよな」


 なにやら複雑そうにぶちぶち独りごちているが、あたしには聞こえない。


 とりあえずあたしは、どうすればいいのだろう。

 ハル兄の悩みが、勃起出来ない……というオトコの事情であるのなら。



 ………。

 やっぱりそれしかないよね。


 あたしは覚悟を決めて、ハル兄の腕を強く引いてベッドに仰向けに倒すと、再び馬乗りに跨がった。


「ハル兄、いかせて頂きますっ!」


「ちょ、待て……待てっ、シズ!!」


 ハル兄の慌てた声をものともせず、ベルトを外してズボンを下げた。前回の時間制限つきで強いられた経験が早業の特技となったようだ。
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