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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2


 ルーレットを回すディーラーが賭けの開始を知らせるベルを鳴らした。

 他の客達が、大きな台の上の緑のマットに描かれた場所に、各々チップを賭ける。

 まだ決まっていないのはあたし達だけだ。


「手持ち金がねぇから10万単位で悪ぃが、好きなところに賭けろ」

「無理無理無理!」


 10万と聞いただけでも手が震える。


「お客様、どうしますか? この回は棄権なさいます?」


 無表情の初老のディーラーが尋ねてきた。


「いや、参加する。ほらシズ。赤か黒かでいい。選べ」

「ひぃぃぃぃっ」


 10万があたしの意見で消えるかもしれない恐怖。

 絶対、小心者のあたしはギャンブル向きじゃない。


「簡単だろ? 二者択一だぞ?」

「無理です、勘弁して下さい」

「お客様?」

「シズ」


 急かされる急かされてしまう。

 切迫観念に頭がパニックのあたし。

 どうしても選ぶの? 選ばないといけないの?


 だったら――。

 ハル兄初戦、10万損させてごめんなさい!!


「お客様、お時間ですが」



 わかりました。赤か黒、選びます。


 あたしはごくりと唾を飲み込んだ。


 あたしが選ぶのは――。



「シズ。黒が俺、赤がナツだったら。お前は…俺とナツ、どっちを選ぶ?」


 耳もとで囁かれるハル兄の言葉。


 ……まるで全然、あたしの耳には届いておらず。



「赤、赤、赤っ!! 赤を選びますっ!!」


 
 女の子なんだから、選ぶのは色つきを。あたしのドレスの模様も赤い花だし。

 そう思いながら、赤一色の単語を叫んだ瞬間、ルーレットが勢いよく廻り、小さな玉が放られた。


「ベット(賭け)の追加、および変更を願います」


 ガラガラガラガラ。


「いらっしゃらないようですので、では"ノー・モア・ベット"ということで、ベッドの追加変更を締め切らせて頂きます」


 ディーラーは2度ベルを鳴らした。



 そして――。



 カラン。


「!!!!」


 小さな白い玉が入っていた場所は――。

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