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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
「後は数字の出方見てりゃ、36付近に玉が集まってきている。ディーラーの足下にルーレットを操作する、あるいは玉を操作する磁力かなにかを操るものがあるんだろう。あのディーラーが二度ベルを鳴らす前に、不自然に体が揺れる。だからもう故意的に変更できないタイミングに切り込んだわけさ。

後は刷り込みだな。"黒"と"36"。あのぼったくりなら、"勝利の女神にも見放された36の情けない男か"ぐらい笑いたいだろうから、それを逆手に、勝利の女神の言う赤の、36にあえて賭けてみただけのことさ」


 簡単に言うが、簡単に実行できるものではない。

 推測ですべて進めて、結果的にオーライになった話。

 ひとつ間違えれば、今頃所持金はない。


「だがまだ3000万にはほど遠い。時間はあと30分。てっとりばやく、3000万にするためにはどうすればいいか。堅実にルーレット続けて、全財産賭けて2倍にするか? 借金をしてひとまず金をぼったくりに返し、あとは借金分を儲けるという手もあるが」

「借金はやばいよ。借金は雪だるまになるんだよ? このままルーレット続けようよ、慣れてきたところだし。他のゲームしたって、またぼったくりの妨害で危ない目に合うかもしれない」


「じゃあ手堅く……」



「つまらないですね」


 突如そんな声をかけたのは、見知らぬ男だった。

 その男は――。


「オトコなら、一発勝負に出たらどうですか?」


 目も眩むような美貌を持つ男で、イケメン慣れしているあたしですら、思わず体に震えが来てしまった。


「誰だお前」


 ハル兄が一歩前に出て、あたしを後に隠す。


「失礼しました。私は片倉遊佐といいます。デザイナーをしております」


 彫り深い、柔和に整いすぎた美麗な顔。

 柔らかな茶褐色の髪は腰まである長さで、それを左肩の位置で緩く三つ編みに縛っている。

 衣装は白基調で華々しい刺繍が施された、詰襟の長裾のものに、豪華なアクセサリーがアクセントになっている。

 あたしはすぐにナツを思い出した。

 ナツがもっと大人びて髪を長くして、こんなどこぞの東洋系の王族のような格好をすれば、すごく似るんじゃなかろうか。

 アダルトナツだ。

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