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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
「ショーダウン。手札を見せろ!!」
目を輝かしてせかすぼったくり。
ハル兄が憂いの帯びた目でちらりとあたしを見た。
あたしは、こくりと頷く。
わかってる。あたしは大丈夫。
ハル兄……。
ここまで頑張ってくれて本当にありがとう。
損させたお金は、ちゃんと返すから。
ハル兄はため息をつきながら、カードを一枚ずつ表向きに横に広げた。
スペードの10。
スペードのJ。
どくん。
スペードのQ。
どくん。
スペードのK。
ねぇ、まさか……。
「そしてスペードのA。
ロイヤルストレートフラッシュ」
すべてのカードを並べると、にやりと不敵にハル兄は笑った。
「言っただろう? 俺には勝利の女神がついていると」
人工的な照明をもすべて輝かしいオーラにさせて、唯一無二の剛毅な帝王の貫禄を見せつける。
世界が違う、次元が違う――。
そう思わせるほどに、ハル兄は見るものを圧倒し、魅惑させる。
その圧巻があたしの許容量を超え、あたしは短い悲鳴を上げて、その場で座り込んでしまった。