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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
 
 
 だけど微かに記憶ある。

 あれは真夏。熱帯夜が続いていた遠い遠い昔。

 真っ白い学ランみたいな服を風に靡かせながら、乗っていたバイクを放り捨て、ハル兄は颯爽と現れた。満月の、神秘的な月光に照らされながら、気高き獣の如く――。

 総長ひとりがやってくる状況を考えれば――。


「あたしきっと、ハル兄の抗争に巻き込まれたんだね。うっすらとだけど、真夜中の公園に駆けつけてくれたハル兄の記憶がある」


 吊り橋効果に違いない。だからあの時、小さいながらも……威風堂々としたハル兄を格好よく思って、無性にドキドキした。

 ……今まですっかり忘れていた程度の、あの時限定で。


 そうか、ハル兄は……助けに来てくれたんだ。


 そう感激していたあたしに、ハル兄は一蹴した。


「あ゛? なにが抗争だ。お前が見たのは最初で最後の、総長襲名時だ。

他の族達との勢力図を占う、とにかくも俺様にとって一番大切なデビューの時に。お前に呼び出されたんだよ、携帯で。小学生のガキが親の携帯いじるなよ。あまりにしつこくかかるから、なにか急用かと思ってでちまったじゃねぇかっ!!」


 そして苛立たしげに、セットしてある髪をぐしゃぐしゃと掻き乱す。

 はて、あたしがなにか?


「"大変なことが起きている。急いで近所の公園に来て"。だから俺は、お前かお前ら一家が公園でなにかされているのかと、慌てて単車飛ばして駆けつけりゃ…・・」


――ハル兄~。見て見て~。今日ね、学校の授業で、逆上がりできるようになったの~。ほら~ぐるんっ! すごいでしょ、シズ、すごいでしょっ!! 大変なことがおきちゃったっ!! 


 ………。


「なんで俺の襲名披露時に、しかも夜遅くに、逆上がりなんて見せようとするんだよ。いつでもいいじゃねぇかっ、このアホタレがっ!!

それ以来、加勢しようと追いかけてきた仲間に"ロリ好き"とからかわれることになったんだぞ!? だから名誉挽回に、関東制圧なんぞ面倒事をしなけりゃならなくなったんじゃねぇか。……くそっ、高校の苦い思い出だ」

 
 伝説の総長……佐伯波瑠。

 女に見境なく手を出しながらのやんちゃな過去。ヤがつく職業の方々からのスカウトをすべて断り、東大医学部現役入学、そしてお医者さん――。


 ふ・ざ・け・る・な。
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