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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

「しーちゃん……」
ナツが唇を離して、上擦った声を出す。
「どうしてそんなに可愛いことをするの……? ねぇ……なんで僕を拒まないの……? どうしてしたいようにさせちゃうの……?」
ナツの指が、お尻の穴を通過してぐっと前に滑り、後ろの穴に戻っては何度も往復を始める。
「しーちゃん、濡れ濡れ。後ろに入れようとして、前まで滑っていっちゃった。どうする? 止らないんだけれど。ねぇ、しーちゃん……」
ふたつの穴を掠めるように、ナツの長い指は動き続ける。
「ああんっ、は……ふっ、ひゃ……んんっ」
もどかしくてたまらない。
前も後ろも、決定的な刺激を与えられない。
来ると思って身構えればするりと逃げていってしまう。
そのスリルこそが刺激になれば、ナツの指を心待ちにしてしまう。
ナツの胸に凭れ、ふるふると震えながら悶えるあたしに、ナツはくすりと笑いながら、片手であたしの後頭部に指を差し込んで、愛撫のように優しくまさぐり、頭上にキスを落としてきた。
「たまらなく、しーちゃん可愛い……。どうしてこんなに可愛いんだろう。可愛くて、可愛くて。もっと僕だけのことを考えて貰いたくて……意地悪したくなっちゃう」
そのうっとりとした声音に、酔い痴れそうになる。
そうして油断していれば、髪を弄っていた手はいつの間にか消えて、Tシャツの下で既に、卑猥な生き物のように蠢いていた。
ブラのホックは外されないまま、上から指でひっかけるようにして下にずらし、指で引っ張りだして弄り始めたのは……。
「かなり勃っちゃってる。すごいコリコリ。満員電車で、興奮しちゃってたんだ? えっちなしーちゃん」
蕾を摘まんでは指の腹で捏ねてくる。ナツの動きは止まらない。
びりびり快感が体に走る。
「……っ、ああ、だめ、強くしたら……ふぁ……」
ナツの胸に口をあてて、喘ぎ声を必死に抑える。
もどかしく与られ続ける下半身の刺激が、胸の頂きの刺激によって、一気に形を持ち始める。
秘部が集中的に疼き出し、かっと熱くなる。
「しーちゃん……下の方、前も後ろもひくひくして僕を誘っている。前と後ろ……どっちに指が欲しいの……?」
濡れる視界。
涎で滲みゆくナツの服。
甘い声が、あたしの意識をふわふわさせる。

