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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 



◇◇◇



 やってきましたテーマパーク。

 どんなところかと思っていたけれど、とにかく敷地が巨大だ。

 2年前にオープンしたらしいが、東京ドーム3つ分はあるらしい。


 館内には温泉を使った11種のプール施設、足湯しながらの映画館(贅沢!)、ゲームセンター、大きなレストラン街、エステやサウナなどのリラクゼーションコーナー、都度様相が変わるイベント会場に分かれているようだ。


 このテーマパークには、マスコットたる"ゆるキャラ"がいるらしい。

 名前は"ゆ~ちゃん"。


 お湯の"ゆ"なのか、ゆるキャラの"ゆ"なのかはっきりしない。

 温泉マークなのかほかほか肉まんのお化けなのかわからぬ形の顔には、糸くずのような目と、ミミズがのたくったような口。そしてひたいには"ゆ"、ほっぺはナルトのマークのように赤いぐるぐる巻き。

 体はクリオネのようで、背中からは純白の両翼。

 "ゆるゆる~"が口癖らしいが、もはやなんの生き物なのかわからない。


 可愛くないわけではないけれど、決して可愛いとは言えない上に、明らかに主催者側が考えるのが面倒で投げ出したような安直な設定。
 
 流行の"ご当地ゆるキャラ"なるもので、利益の恩恵に与ろうとでもしていたか。

 
 それならもうちょっと、頭を使って考えてあげようよ、せめて性別くらい。すっぽんぽんは可哀想だよ。


 至る処に張られているポスターを見る限りにおいては、"ゆ~ちゃん"専用お土産コーナーも設備されているらしく、こんなに人を食った存在でありながらも、結構阿漕なやり手営業マン(ウーマン?)だ。

 派手なポスターによると、ゆるゆる~としか言わない片手乗り人形が、4,800円。


 "大人気につき、あとひとつ!! なんと半額っ!! 急げ~っ!!"


 どのポスターにも、既に印刷されている煽り文句が実に痛々しい。

 一体どこの要素に真実性があるのだろう。


 誰もがそのポスターに背中を向けているのが現実。

 実に辛辣だ。

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