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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 そして水着。


 きちんと丁寧に畳まれた水着が8種。

 まるでお色直しのようだ。


 予備を多く持参して、遊び倒そうとしたのだろうか。

 すべてを着せて、見て愉しみたかったのだろうか。


 しかしふたつを除いて、知らぬ水着ばかり。

 ふたつとは、あたしが小学生の時に部屋のタンスから行方不明となって、目覚めた直後に、ハル兄によってナツの部屋から見つけ出された"スク水"。


 それと、ナツを沖縄の仕事に行かすために着た、ハル兄が持参した"水に透ける水着"。そう、極端に布地が少なく卑猥さ丸出しの、ナツが待ち受けにしてハミ毛を愉しんでいた、アレだ。


 とりあえずそれはニャンコバックに戻し、残り6種から水着を選ぶ。

 また付箋が貼ってあった。


『僕のお勧めは、これです(*´艸`)』


 顔文字つき。

 なんだこの、意味ありげな笑いの顔文字は。


 内心ビビりながら出してみたが、特に変わった様子はなく。

 卑猥すぎる……ビキニの風上にもおけないような破廉恥水着ではない分、これならいい。


 ナツがあたしに着せたいお気に入りは、セパレートタイプの清楚なお嬢様風。

 上は首の後ろでリボン止め。とにかく白いレース調のヒラヒラとリボンが乙女ちっく。そして下はスカートタイプ。これまた上のヒラヒラがスカートの裾にもついている。

 水着ではなく、このまま真夏にお外でも歩けそうだ。


 意外だ。

 ナツがまともで。

 変態でも、まともな部分はあるらしい。



 ふと思った。

 帝王様なら、どんなものを選ぶのか。


「まぁ……この系統だよね」


 あたしの視線はニャンコバックの中。

 無論、ロリコンハル兄の好みなら、あの……人様に見せてはいけないものを"かろうじて"隠す卑猥すぎる水着よりは、"スク水"でしょう!!


 アラサーには痛すぎる、ハル兄の嗜好。

 ごめんなさい、クラス番号と名前が大きく縫い付けられている、小さなスク水の出番は今後もありません。

 頼まれても無理です。


 ナツの用意してくれた水着に着替えたら、アラサーの体でもなかなか可愛く見える。願わくば、もっと胸の大きさと腰のくびれと足の細さが欲しいけれど。


 それでも、エステに行ってむだ毛処理しておいて本当によかった。



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