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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

「やりたいならあんただけやってくればいいだろ? ほら、あのガキ共と一緒に。仲良くなれるんじゃないか?」
小学生くらいのチビちゃん達の集団がきゃあきゃあ騒ぎながら、並んでいた。
今の子は、紺色のスク水ではこういうところに来ないのか。
セパレート式、ワンピース式……その柄や形は、大人ものをそのまま縮小したかのようで、まっとうな目で見れば可憐、偏った目で見れば……。
「……ハル兄誘えばよかったね。ここはハル兄にとってパラダイスなのに。きっといまだかつてない、最上級のハル兄の笑顔、見れたよ?」
「俺の嫌味を波瑠さんの話題で、さらりと切り返すとは。その発言は、波瑠さんが女と思えば見境なく発情する軟派男だと言いたいのか? それとも波瑠さんもあのガキ共なみに精神年齢が低いと言いたいのか?」
「ハル兄が好きなのは、精神と肉体年齢が低い、スク水が似合う女の子よ。まあ、スク水じゃないなら100%満足はしないかもしれないけど」
「……自虐的だな、随分。聞いてて痛すぎるぞ」
「自虐? なんであたし?」
「え?」
「え?」
まるでモモちゃんと話が噛み合わない。
「ねぇ、モモちゃん。行こう?」
「しつこいな、行かない。行きたいなら、ひとりで行け」
「ふたりでいるのに、ひとりで遊んでも虚しいだけだよ。保護者じゃないんだからさ」
「……似たようなもんだろ」
「見てみなさいよ、ベンチで見守っている保護者、みんなおじさんおばさんだよ? ピッチピチの19歳なんていないよ?」
「あえて、死語を使うか、あんた」
「モモちゃんがいかないのなら、あたしここに居る。本当は行って遊びたいけど、モモちゃんが一緒に行ってくれないなら、ここに居る」
「………」
「すっごく面白そうだけど。仕方が無いよね。モモちゃんが楽しまないと、あたしだって楽しくないもの。モモちゃんがぶつぶつ話している方が楽しいっていう、インドアの引きこもりじーさんなら仕方が……」
「なにが、インドアの引きこもりじーさんだよ! いいか! 俺は、元来口下手なんだよ。話しているのは苦痛なんだよ!」
「そうは見えないけど。モモちゃん、ずっと喋ってるじゃない」
「それはあんたがべらべら喋ってくるからだろ!」
「あたしだったら、喋れるんだ?」
「そうだよ、あんただったら……」

