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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

そこまで言って突然モモちゃんは後ろを向いた。
何度かモモちゃんを呼ぶと、実に不機嫌そうな顔でこちらを向く。
そして睨み付けるように、言ったんだ。
「俺は……女が苦手で、女の楽しませ方を知らないんだよ! 俺といたって、どこにいても楽しくないのくらい、あんたは実感しているだろう!? せっかく面白そうなアトラクションがあって、俺といるせいで楽しくない思い出にさせちまったら、ナツにどう謝ればいいんだよ、俺! だからひとりで……」
意外に心優しかったモモちゃん。
「なんだ、そんな理由か。モモちゃん自身が面白そうだと思うなら、まずは行ってみようよ。モモちゃんが面白いと思えば、あたしも面白く思えるもんだって。それにあたし、結構モモちゃんといるの楽しいよ? 打てば響くし。……嫌味ばっかりで腹立たしいけど」
「……おい」
「それにあたし、女っぽくないでしょう? ほら、モモちゃんあたしとは平気で話せるのなら、あたしで女嫌いを矯正してみればいいじゃない。だからじゃないの、ナツがモモちゃんにあたしを任せたの」
「は?」
「モモちゃん、行ってみようよ」
あたしはモモちゃんの腕を引っ張った。
するとモモちゃんは、突然顔が真っ赤になる。
「よ、よせ……そんないきなりっ!」
すごいな……モモちゃん真っ赤っか。
佐倉桃、完熟トマト風味。
「……モモちゃん。そう言えば、前もそんなことあったよね。あたし触ったら、真っ赤になったこと」
「……笑えばいいだろ!? 駄目なんだよ、俺……突然女に触られると、赤くなってしまうんだ。なにをどうしていいのかわからなくなる。前もって身構えていれば、なんとか凌げるが気持ちが悪くなる」
「………」
「笑えよ、もう……なんであんたに、こんな情けないことばれるんだよ!」

