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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

 卑猥な玩具を作って遊ぶ、インドア派のモモちゃんに、このあたしが負けるわけがない。

 なんと言ってもあたしの師匠は、モモちゃんが崇拝するハル兄だ。

 ……スク水で特訓させられたのは、99%以上はロリコンハル兄の邪心によるものだろうが、それでも帝王自らが鍛え上げたのだ。


 ハル兄直伝のバタフライ、この鮮やかな蝶の舞いをとくと見よ!!



「よ~い、スタートっ!!」



 だが――。


「……!?」


 モモちゃんは鮮やかなクロールで、あっという間に向こう岸。


 一方あたしは……、


「……俺、ナツと波瑠さんから水泳を教わって、水泳は得意……って、マジにカナヅチなのか、あんた!? 冗談じゃなく!?」


 ……溺れていた。


「なにが"水泳は得意"だよ!? なんでそんなんで、勝負をふっかけてくるんだよ!?」


 あたしは"流れるプール"だということを忘れ、さらには逆流という障害を乗り越えて進むだけの技術をハル兄から教わっていなかった。

 あまりに強い抵抗力に、驚いて立ち上がろうとしたら足元に底がなく、ぶくぶくぶく……。


 しかも水流に流されて――。


 そんな時、モモちゃんが水中から助けてくれた。


 モモちゃんあたしを抱きかかえて、ざっぱんと水面から出た。


「まったく……どうしてカナヅチのくせに、あんたは無謀なことを……」

「あ゛だじ、お゛よ゛げる゛の゛~」

「鼻からも口からも水流しながら、喋るな!」


 モモちゃんにしがみつきながら、聞き入れられない真実を語っていた時、なにかのホイッスルが聞こえて、放送がかかる。


『ただいまより、流水と波のプール混合になります。流水の他に、大波小波がきますので、お気を付け下さい~』


 波?

 波がくるって?


 あたしのトラウマが再生される。



「いやああああ、波、嫌あああああ!!」

「おい、こら……暴れるなっ!!」


 ざっぷ~ん。


「嫌、嫌、嫌~っ!!」

「だから暴れるなって……っ!!」


 ざっぷ~ん。


「嫌、嫌……お!?」

「あ!?」


 あたしを抱えたモモちゃん、足を滑らせたらしい。


 そしてあたし達は――。




「――!?」

「――っ!!!」




 水中で、唇が重なった。





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