この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

「他の女となら、生臭いナマコにしてるようで鳥肌が立つのに、ガキの頃の…納豆まみれの痴女のキスが忘れられない」
ナマコ……。
痴女……。
なんだか色々あんまりだと思いつつも、それを言葉でいつものように否定出来ないのは、モモちゃんの言葉があまりにも切実だったから。
そこまで追いつめていたのは、小学生に盛ったあたしのせい。
とんでもない淫行をしでかしたあたしの愚行のせい。
そのくせあたしは、そのことをすっかり忘れていた。
今ですら、その記憶ははっきりとしていないくらいに。
「最初だから特別なのかと思った。成長すれば現実の女への感覚が、記憶を塗り替えるだろうと思った。だけど悍(おぞま)しいだけだった」
モモちゃんは、引き摺ってしまっているというのに――。
モモちゃんが苦悶の表情を見せながら、あたしの口の中に入れていた……唾液に濡れた指で、あたしの唇の内側を指でなぞる。
その感触に、ぴりと痺れるものを感じた。
「……んっ……」
僅か声を漏らしたあたしに、モモちゃんの唇はまた半開きとなり……あたしに吸い寄せられたかのように恍惚とした顔を近づけてきて、あたしの間近でその動きを止める。
「……くっ…」
呼吸すら止めてから、眉間に皺を寄せてぎゅっと目を瞑ったモモちゃん。
長い睫毛が、なにかに耐えるようにふるふると震えていた。
「三回……事故とはいえ、この唇に触れたら……過去の悍しい記憶が消し飛んだ。それどころか、リアルに思い出した。気持ちいい、あんたの感触を」
震える言葉が、躊躇いがちな呼吸に乗せて……熱く熱く、吐き出されていく――。
「もっと触れたい。この中に入りたい。そして……欲しいのは、唇だけじゃないと気づかされた……」
モモちゃんはあたしの尻をぐっと自分の股間に引き寄せ、モモちゃんの体に密着させた。
「あんたはナツのものだ。波瑠さんのものだ。わかっているのに、煽られた。女の裸を見ても、今まで欲情したことなかったのに。あんたが欲しくて……たまらない」
モモちゃんの股間は、堅く膨らんでいた。

