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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

 そこにモモちゃんの"オトコ"を感じて驚きよけようとするが、モモちゃんはそれを許さず、もっと感じ取れとばかりに押し付けてくる。


「友情も慕情も……あんたの前では霞んでしまうのは、あんたが淫魔だから? だから俺の理性を狂わせるのか……?」


 モモちゃんは唇から指を離し、ぎゅっとあたしを抱きしめてきた。


 熱い――。

 そして、なにか怖い――。


「逃げないで……。なにもしないから。だから……このままでいて」


 息づいて微かに脈動するモモちゃんのモノから、熱が広がってくる。

 じんわりと、確実に……モモちゃんの熱に侵蝕されていく――。


「どうしていいのか、俺もわからない。こんなこと初めてで……体のどこもかしこも苦しくて。なかったことにしようとすると、体が引きちぎられそうになる。あんたに抵抗されると、無性に泣きたくなる」


 泣き出しそうな、震える声。

 喘いでいるように長い吐息をつくモモちゃんは、ただあたしを抱きしめて、モモちゃんの早い鼓動と猛り、そして戸惑いをあたしに伝えてくる。


「あんたも困るとは思うけど……なにもしないから。鎮めるから。だから、逃げようとしないで欲しい」


 まるで生まれたての子犬のよう。

 押しつけているのではない、縋り付いてきているんだ。


 込み上げる衝動を、モモちゃん自身がどうしていいのかわからずに。

 そこまでに追いつめたのは、あたしの責任だ。


「……わかった」

 
 抵抗の力を抜くと、モモちゃんは、ありがとうと小さく言った。


「だけど、モモちゃん……このままで大丈夫なの?」


 あたしに触れるモモちゃんのモノは、硬さを増す一方で。

 じっとしているのがいいのかどうか、女のあたしにはよくわからないけれど、収拾の状況には向かって無い気がする。


「本当にあんたって、むかつく女……。これでも、頑張っているのに」


 だけど――。



「引かないね。19歳、一段と元気だね……」

「……っ」

「やっぱり、ここは離れた方が……」

「やだ」

「だけど、このままなら引かないよ?」

「もっと頑張る」

「………。そんなにひっついていたいの?」

「……うん」


 即答に驚いた。


 モモちゃんが。

 あのモモちゃんが!!
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