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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 


 
◇◇◇


 参加者30組集結――。

 イベント会場はアーチ型の硝子の天井をした、アトリウム。

 ところどころにステンドグラスが嵌め込まれており、燦々とした光が織りなす色のシャワーは神々しい。


 総勢60名。

 一同に集められたあたし達は、ピンクの縁がついたハート型のサングラスをかけた、変なシルクハットおじさんと、ただひたすら揺れ続けているだけでなにもしていない着ぐるみゆ~ちゃんにて、大会の進行を巨大なパネルを見せられながら説明を受けた。


「HEY、YOU~? わかっちゃったかな~YOU、YOU、YOU~?」


 誰だ、このノリノリメタボのうざいおじさんをMCに据えたのは。

 しかも説明の前に、わかったもなにもあったものじゃない。

 これならエスパー河童もお手上げだ。


 見てみよ、明晰な頭脳を誇るモモ様の青筋を。


 イライラしながらの説明を要約すれば、大会は三部構成。


 第一戦は、スポンサークイズ。

 即ち、cherry girlsとDangerous Scentから出題。

 これにて30組は、15組に絞られるらしい。



 第二戦は、カップルラブラブクイズ。

 参加条件としてのラブラブ度がどれくらいなのか競い合うらしい。

 これにて15組は3組に。


 第三戦は、今はシークレット。



 あたしとモモちゃん、即席カップルの難問としては……。


「まず難関は第一戦だな」

「え? 二戦目じゃなくて?」


 そこからして意気投合が出来ていない、不安いっぱいの即席カップル。


「あんた、cherry girlsをなめてるだろ」

「別になめてなんて……。えっちな会社でしょう?」

「……あんた、その知識……あるのか?」


 モモちゃん、凄い顔で聞いて来る。


「知識って……佐伯兄弟ほどはないよ。だけど、なくても、あたしにはモモちゃんがいるし」

「……っ」

「……そこ、顔赤くなるとこ?」

「放って置いてくれ。なるものはなるんだ、諦めろ。これが赤くなくなってきたら、あんた大変だぞ」


 なんだか、開き直ってきたらしいモモちゃん。

 なんであたしが大変になるのかよくわからない。
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