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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘


 集った30組の参加者は、老いも若きも統一性がない。

 どう見ても幼稚園児やよぼよぼのお年寄りが、どうしてcherry girlsやDangerous Scentを欲しがるのかよくわからない。

 12年後の日本は、ここまで性事情に広く緩くなったのか。


「じゃイくよ~、イっちゃうよ? ……ううっ、あうっ、イっクぅぅぅ」


 ……腰振っておかしな戯れ言はやめようよ、メタボハートメガネ。


 下ネタ通り越して、ただの変質者だから。

 ほら、誰もがしらけているから。

 そのうち警察出動するよ?


 ゆ~ちゃんも、一緒に腰を前後に振らなくてもいいから!


 なんだよ、このイベントは。



 第一戦目開始――。


 
 アトリウムの周りは観客に囲まれた。

 そこに変質メタボとゆ~ちゃんは溶け込んだ。



 椅子もない、机もない。

 空間に用意されているのは、参加者の体だけ。


 一体、どうクイズをしていくのだろう?


 そう思ったら、ゆ~ちゃんがなにかを運んできた。

 押しボタンつきのワゴンだ。

 動かないように4つの滑車にレバーをかける。




 メタボ司会者が言った。



「第一戦目は早押しクイズだYO~。解答者はどちらかひとり。ボタンを押して正解したら、ゆ~坊が持ってるこの箱DE~」


 ……ゆ~坊ということはオスだったらしい。

 いらっ。

 あの言い方、なんとかならないのだろうか。


「中の紙を引いて、書かれているクイズを読み上げるんだっYO~。回答権は、パートナーなんだっYO~」


 いらっ。


 今度はスタッカートをつけてきた。

 余計に、いらっ。


「それが不正解なら、他の皆に権利が移譲のJO~。先にふたりが正解した組から勝ち抜けなんだJOのJO~」


 いらいらを最大限にさせて、変質メタボはなにかを悠々と上に掲げた。



「ではまずクイズ『これな~んだ』。これは大人気、cherry girlsの製品。この名前とどう使うのかを説明してCHO~」


 それは――。

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