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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

 あたしの目の前に、出てくる出てくる卑猥なグッズ。

 唇型のシリコン模型だの、ゾウさんの顔のぴらぴらだの、色々な大きさの玉が繋がったネックレスもどきのようなものだの、イヤリングもどきのようなものだの、大きい知恵の輪のような金属のものだの……。

 
 その、どう見てもまんまのことしか言えないあたしとは違い、他のひとは熱弁を振るう。どう使うのか、どう使えばいいのか、レクチャーまで始めるひともいる。

 ありえない、あんなものをあんなところに使って大人が喜ぶ淫猥な世界があるなんて。

 しかもcherry girls愛用マニアが、ここに集結するなんて。


 よぼよぼお婆さんは無論、今ドキの幼稚園児も答えられるってなに?


「知らなくてもいい知識だ。逆に俺は安心した。あんたがまだピュアで」


 答えられないあたしを、モモちゃんは詰らない。


「あたしよりピュアなモモちゃんは、全部ではないにしても、なんで大方知っているの?」

「ナツに言われて、女の快感を高められるグッズを調べたことがあるから。その大体がcherry girlsだったし、それにユリ姉のコレクションにも、あんなのがある」


 ナツ……。

 ユリ……。


「だが波瑠さんはああいう道具は興味ないらしい。あのひとは、肉体勝負の本当に野性的なひとだよな」


 卑猥な帝王がこんな道具使い出したら、世も終わりだ。

 ハル兄は、どこまで卑猥な知識があるのだろう。


 とりあえず、怪しげな教本を買う時点で、アブノーマルな世界に興味はあるのだろうが。

 それを強要しないところが、不幸中の幸い。


 ナツはきっと、モモちゃんの玩具だから使っている気がする。

 うん、友達思いだから、卑猥な玩具でも使うよね……。


「ねぇ、モモちゃん。ナツ、どんな合宿してるの?」

「ああ……ハイテクマシンの中さ」

「ハイテク?」

「そう。あんたの膣具合を、バーチャルリアリティーで再現したマシンの中だ」


 ………。


「理解してない顔だな。簡単に言えば、あんたのナカに入った時と同じ疑似触感を、ナツは与えられているんだ」



 ………。


「まだわからないか。あんた達が図書館で使った『イカサズコロサズ』、あれで送信されたデータを元に、映像と膣圧具合を解析して……」


「なんですと――っ!?」

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