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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 


 第二戦目――。


 ほぼ卑猥ばかりの難問を勝ち抜いた強豪15組。

 ……よぼよぼカップルに小学生カップル(しかもどう見ても低学年)が混ざっているのはどうも腑に落ちないけれど、二戦目はあたしが憂う、カップルのラブラブ度を競い合うものだ。

 アトリウムは大きく解放され、観客が脇に寄せられ、壁だと思った仕切り戸が移動し、全長50mほどの空間になった。


「HEY、YOU~。LOVE~ 運動会っ!!」


 卑猥に腰を前後に動かし、ゆさゆさメタボ腹が揺れる。


 どうして運動会は日本語なのかわからない、本当にツッコミどころが多い司会者だ。


 ……というか、運動会?

 え、ノーブラ&ノーパンで、運動会?


 あたしは、引き攣った顔でモモちゃんを見た。

 モモちゃんも、とても嫌そうな顔をしている。
 
 

「LOVELOVE問題の前に、振るいにかけさせて貰うYO~。さぁ~パン食い競争ならぬ……ゴム食い競争だっ。このゴムの中から、薄さ0.01mmの薄さのものを見つけて、持って来てNE~ LOVELOVEしてれば、必ず手を出す薄さ。外からでもわかるほどのLOVELOVE度を見せつけてNE~」


 ゴム……ゴムって……。


 ゆ~ちゃんが運んできたのは高く横に伸びた棒。小さな四角い包みがたくさん……ばらばら高さで糸で吊られている。


 どうみてもあれば……。


「ねぇ、あれ……超細かく畳まれたゴム手袋とかじゃないよね」

「……ありえない。この手のものは、経験豊富なあんたがお手の物だろう」

「使うのは男じゃないか。薄さ0.01mmかぁ……。あたしの時は、0.03がどうのってユリが騒いでいた気がする。ナカ擦れて痛いとか、全然感触がよくないとか。やっぱり12年で進化したの? 薄ければ男にはいいものなの? 破けたりしないの? 0.02mの差ってすごく大きいものなの?」


 純粋な疑問だったのに、


「……っ、俺に聞くな……っ、皮肉を返すなんて高度な技見せるなよっ」

「え、だって他にわかるひといないじゃん。12年後のゴム事情は、使ってないあたしにはまったくわからないんだし」


「……っ」


「モモちゃん、顔からしゅうしゅう湯気でてるよ?」

「あ、ああああんた……ゴ、ゴム、なし……う……くっ」


 しゅうしゅう~。
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