この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

「想像させんなよ……っ」
勝手になにを想像したのか、モモちゃんは沸騰してその場に蹲(うずくま)る。
「なんでこんな反応、俺ばかり……」
「しかたないよ、モモちゃんピュアピュアだから。だけどあたしも最初は、そんな反応だったんだけどな……。保健体育の授業辛かった。あ、だったらモモちゃん、保健体育の成績悪かったの?」
試験内容見ただけでも、ピュアボーイには無理そうだ。
「俺は、5段階5以外とったことがない」
真っ赤な顔でメガネをクイクイ。
試験には体温と顔色は全く関係ないらしい。
「凄いね~、あたしなんて10段階5があれば飛び上がって喜んでたよ? そうか、モモちゃんは、むつっつりすけべって奴なんだ?」
「な……っ」
「もう……い・け・な・い・子」
「……っ!!!!!」
最後にポンとその薄い唇に人差し指をぽんと軽く叩くと、モモちゃんは前のめりになって……「俺もうやだ」などという彼らしくない弱音が聞こえた。
ああ、これではいけない。
元気つけさせなきゃ。
「だけどいいなぁ、ピュアピュア。若さだね~」
元気に話題を変えて褒めれば、
「あんたは……今でもピュアだろ……」
弱々しい声音で、モモちゃんはぼそりと呟いた。
「そう、見えるの!?」
思わず嬉しくなったあたしは、よろよろと……今にも前転しそうなほど前傾しているモモちゃんに抱きついた。ぎゅっと。
「あ、あんた……下着、下着つけて……っ」
気づけばモモちゃんに胸を押しつけた形になっていて。モモちゃん相手なら、不思議と焦る心地にならない。
クールさを返上して狼狽するモモちゃんの初々しさが、馴染みすぎたようだ。
「あ、ごめん、ノーブラだったよね。さっきの直の感触思い出しちゃった? ……モモちゃんのえっち」
「く……っ」
モモちゃん、涙目で悔しそうにあたしを睨み付けていた。
ああなんだか可愛くて、ぞくぞくする。
モモちゃんいじり、やみつきになりそうだ。

