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第9章 変態王子様の奮闘

　とりわけ女性達は、皆それぞれタオルやパーカーなどを着ている。外見上はあたしと差違はないものの、その下がノーブラ＆ノーパンのものはいまい。

　あたしのようにやむをえぬ理由がなくて、公衆の面前で密やかにそんな格好をしていたというのなら、それは露出狂という名の変態さんだ。


　ピュアボーイに、人前で海パンとらせれば、絶対生涯に跨がるトラウマになるだろう。モモちゃんにピュア路線を突っ走らせるためには、やはりここは、初ちゅ～を奪い納豆を克服させた……この、綺麗な初恋のお姉さんが奮闘しなければならないのだ。


　正解とされるのは、相互同じ回答だった場合。


　あたしがモモちゃん並みのＩＱを持てるはずがないのなら、モモちゃんがあたしの頭にあわせてくれればいいってこと？


　あたしも手を上げて質問する。


「その回答は、間違っていてもペアで揃っていればいいってことですか？」

「そうだYO～。LOVELOVEカップルなら、以心伝心のはずDAKARA」


　クイズ内容より、あくまで現状どれだけラブラブしているかを見るだけのクイズ。答えさえ合致していればいいようだ。

　簡単そうに思えるが、一抹の不安が胸によぎる。


　……なぜ、18禁？


「さぁ、始めるYO～。1問目!!　最初は特別、ボーナスクイズ。五択から選んでNE～。　ずばり、彼女が好きなのはどれですか？　

　1.松葉崩し

　2.駅弁

　3.流鏑馬

　4.浜千鳥

　5.獅子舞

　
さあ、Let's　Writing!!」



　これは……なんのクイズがわからない。


　回答パネルには選択肢の言葉が並んであるが、なにを意味してるのかすらさっぱりだ。

　読み方すらわからない。


　どうして皆、疑問が出ないの？

　小学生もわかるもの？


　そんな時、空腹を知らせるあたしの腹の虫が鳴った。

　それは淫魔関係なく、運動したから小腹が減っただけ。



　モモちゃんがあたしをじっと見つめている。

　モモちゃんなら、きっと"あたし"をわかってくれるよね？


　この中であたしが惹かれたのは――


「全員正解～」


　
　駅弁。


　この言葉で余計に腹の虫が喜ぶんだ。

　ナイス、モモちゃん。　 　


　……で、この5択はなんだったのだろう？