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第9章 変態王子様の奮闘

　


　回答パネルに書かれた文字は裸眼では見えないらしく、モモちゃんは取ったメガネをまたかけていた。

　メガネをかけると冷ややかさを増して、理知的なイケメンになる。

　の○太くんもそうであったら、世のオンナのウケも違ったろうに。


　メタボの司会者が次の問題を告げた――。


「第二問目!!　これはペア同士揃わねば正解じゃないYO～。

自分の初体験の相手の特徴と、ペアの初体験の相手の特徴を誰にでもわかる具体的な比喩で表現してNE～？　

初体験はCHU～でもPettingでもないよ。ちゃんと男性のを女性のところに入れて、腰振る行為のことNE～　DUPPUNと発射が成功したかどうかは不問だYO～」



　初体験……ですと!?


　メタボとゆ～ちゃんはまた腰を前後にカクカク揺らしている。

　もう……見てて痛すぎるし、こっちが恥ずかしい……。


　顔を横にそらしたら女性陣は皆顔を赤らめていた。

　だが小学生だけは、女の子の方が平然としていて、逆に男の子の方が恥ずかしそうに両手で顔を覆っている。


　……やっぱり、済ませちゃってるんですか!?

　今ドキの性事情は、そこまで進んでいるんですか!?


「特徴を書いて貰うにあたって、例えば、初体験の相手は女優の○○に似てたとか、クマに似てたとか、漫画やアニメのキャラでもOK。だけどふたりだけしかわからない"実名だけ"というのはやめてNE～。表現の言い回しが違うだけなら正解にしちゃうから安心してYO～。

難しいNE～、隠しているカップルだっているからNE～」




　……モモちゃん……。

　あたしの初体験の相手すらもうぼんやりで、へのへのもへじにもならないただの"のっぺらぼう"なのに、ピュアピュアチェリーモモちゃんのありえない相手なんて、輪郭すら想像出来ません。


　この場では、「実はプラトニックのまま結婚したいんで、チェリーボーイ＆バージンです♡」なんていうものは認められないだろう。


　なんと言っても、一戦目では卑猥な道具や単語の説明をして、さっきは口で超薄の避妊具を毟り取ってきて、これで未経験というのはムリがある。12年後の世界は、あまりに性事情が若齢化しすぎているみたいだし。