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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘

「さあ、解答~」
今あるカップルが初体験の相手だというのは、あたし達以外におじいさんとおばあさん組しかなかった。
知り合って70年以上らしいが、さすがというべきか書いてある言葉は一言一句同じで、よく見れば顔すら同じ顔に見えてくる。
文句なしの正解だった。
あの小学生カップルは、男の子は女の子の初体験の相手は自分だと思い込んでいたようだが、女の子が書いた自分の相手は『今カレの父』らしく、男の子は泣き出してしまった。
さらには具体的な特徴を書こうとしたのだろうが、"その日"の詳細や会話だの喘ぎだの父のモノの特徴だの、官能小説さながらに(ただしひらがな)で書き綴り、それを艶っぽい声で読み聞かせ……いい大人をトイレに走らせたというのに当の本人はケロリ顔。
結局この女の子の初体験は今から3年前。今カレとの付き合いは1年前からで、さらに現在進行形でまだその父とも続いていることを告白、男の子は耐えきれずに泣いて飛び出し棄権になった。
追いかけるのかと思いきや、席に背を向けた彼女が言った。
"去る者は追わず。奴隷如きが私を独占しようとするなんて100年早いのよ。私が欲しいのは、従順な奴隷。他の奴隷がいるくらいで騒ぐことない最高の奴隷を、今度は見つけて徹底的に調教してみせる。ふふふ、その時は、私でも躊躇するようなcherry girlsのハードな調教グッズに耐えられる奴隷を作ってみせるわ"
その毅然とした女王様っぷりに、拍手が送られた。
初を奪った、今カレ……いや、たった今、前カレになった男の子の父親まで奴隷にしているのか。
凄まじい、イマドキの小学生……。
cherry girlsに、あのチビ女王様に躊躇させるほどのハードな調教グッズもあるらしい。なんでそんなのを知っているんだろう。
あたし達の番が来た。
「ではでは、女性の初体験の相手は……OPEN!!」
ドキドキしながら、食い入るようにモモちゃんの解答パネルを見れば、モモちゃんもこっちを見つめていて。
『ピュアバトラーモモ』←あたし
『ピュアバトラー桃』←モモちゃん
「やった!!」
すごいよ、モモちゃん見事!!
じゃあもうひとつなんて楽勝!!

