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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美

『こっちは急患ばっかりで忙しくて気が立っているっちゅーのに、お前はなにやらかしてるんだっ!! なに簡単に操られてんだ。俺をハゲにさせる気か!!! 俺様があんなに警戒しろと言ったのにころりと忘れるようなら、この先鎖繋げて監禁して一生モグラにしてやるか!? このアホタレが――っ!!!!!』
「ひぃぃぃぃぃぃっ!! ごめんなさあああああいっ!!」
思考よりも身体がまず反応する。
怒りの頂点、ブチギレて早口でまくしたててくる帝王様の声に、あたしはその場で平伏した。
それでふっと意識が戻る。
今までのナツ三昧の薄れていた景色に、色がつく。
世界が、戻った。
「え、ええ? なんでハル兄が……っ」
『正気に戻るのが遅ぇんだよ、3分でとっとと俺様のところに来い――っ!!』
「はぃぃぃぃぃぃっ!!」
って、どこに!?
「帝王様は、いずこに……」
『あ゛っ!? 勝手に電話切ろうとしたのか、てめぇぇっ!! ひとが最悪気分の時に喧嘩売りやがって。ぶっ殺されたいのか、あぁぁぁん!?』
ひぃぃぃぃっ、恐い恐い恐いっ!!!
おしっこちびっちゃうよ。
「電話もなにも、わたくしめはスマホなど持ち合わせては……」
「あははは、あんたに言ったわけじゃない。『迷子センター』に行くぞ。そこに行けば波瑠さんと会話できる」
モモちゃんが笑いながら、不可解な場所を言った。

