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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
そんなことを話しつつ、部屋に戻ろうとしている時だった。麻人の携帯が鳴った。ロック調の曲が流れ、メールではなく電話だとわかる。
「誰だろ」
つぶやいて、画面を確認した麻人の表情が、一瞬固まる。
「大学の友達?」
「……先に戻っててもらっていいですか? 電話してきます」
「ああ、はいよーわかった」
麻人は早足に、今来た通路を戻っていく。
麻人の反応がなんだかいつもと違っていて、私は首をかしげた。麻人が私の家にいる時もたまに電話は鳴るけれど、わざわざ別の場所まで行って出ることなんてないのに。たいていその場で通話を始め、話している。
パーキングの時みたく周りがざわついてるならともかく、今はそんなこともない。あと少し歩けば部屋だし。
それをわざわざ戻るというのは、私に電話を聞かれたくないということ。すぐにピーンときた。
「もしかして、さっきの子たちかな」
麻人を逆ナンした、推定年齢十八くらいのマセガキたち。あの場じゃ興味ないようなことを言っといて、実は、なんてこともあり得る。
「よーし、あとつけちゃえ!」