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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
悪趣味なのは承知の上だけど、どうしても好奇心が抑えられなかった。なんか、浮気調査でもしてるみたいでわくわくする。
私の中のほんのわずかな良心が、私を止めにかかったけれど、結局すぐに負けてしまった。
私は彼のあとを追った。バレないようにこっそりと。
麻人はすぐに見つかった。ロビーの奥の、自販機が設置してある脇の小さなスペースで、電話をしていた。私はバレないよう、自販機を盾にして、そこから麻人の声を盗み聞いた。
あの子たちの誘いに乗って、逢い引きでもするつもりかしら。異性にも、性的なあれこれにもいつもどこか冷めていて淡白な麻人の、逆ナンされて浮かれる姿が見れるのかしら。
だけど、そんな悪趣味な妄想は、耳に届く麻人の言葉で打ち消させる。
「……何? なんか用なの?」
――え?
それは私が想像していたのとは、まったく違うものだった。
冷たい、別人のような声。
電話の相手がさっきの子たちでも、彼の友達でもないことは、すぐにわかった。
麻人はほとんど会話らしい会話をしなかった。乾いた相づちばかりが聞こえる。