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可愛いヒモの育て方。
第10章 目隠し
「そこより、こっち」
頬を捉えられ、すくうようなキスをされる。麻人の声は、なんだかいつもより甘かった。
唇を吸い、舌を挿入し、柔らかく口腔を舐めまわされる。
「ふ、う……」
優しいキスだった。
下半身がぞくぞくと、痺れたようになる。疼いてたまらなかった。
麻人は唇を離すと、再び私の肩にもたれかかってくる。
「疲れた?」
「いえ」
そんなふうに甘えてくるなんて、珍しい。さっきは手錠を取ってほしい一心で、私にすり寄ってきただけだと思ったけれど、そういうわけでもないようだった。
いつもと違う。上手く言えないけど、直感的にそう感じた。
「ねえ、何かあった?」
「……え?」
麻人ははっとしたように、顔を上げた。
「二週間くらい、ずっと来なかったじゃん。珍しいなーって」
麻人は口を開きかけて、すぐに噤んだ。沈黙。だけどすぐに私から視線をそらし、なんでもないですとつぶやいた。
「……テストとかあったし、忙しかっただけです」
「そっか。お疲れ」
その反応に違和感を覚えたけれど、深くは突っ込まなかった。