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可愛いヒモの育て方。
第14章 就活
次に目覚めると、私はベッドの上に寝ていた。締め切られたカーテン越しにでも、陽光はだいぶ明るい。昼くらいだろうか。
体を起こそうにも、頭痛が酷くてできなかった。体が重い。予想通り、二日酔いみたいだ。
「やっと目、覚めました?」
「……うん、頭痛い」
麻人の声に、振り向く。酒やけした自分の声の掠れ具合に、びっくりしてしまう。
麻人は私のパソコンの前に座り、何かを見ていた。
「二日酔いですね。具合は? 吐き気とかおさまりました?」
言いながら、私のそばへと近づいてくる。
「頭が……、死ぬ」
「だからそれ二日酔い。もう、いい年してあんな飲み方するから! しかも、おとなしく寝てないで無理しようとするし。バカなんすか?」
「……ごめんなさい」
確かに、いい調子で飲みすぎた。二日酔いは覚悟していたけれど、風呂でぶっ倒れるとは、我ながら情けない。
自業自得だし迷惑もかけたし、説教されるのは仕方ないと思うけれど、一つわがままを言わせてもらえば、今は勘弁してほしかった。麻人の声が頭に響いて、がんがんする。
「てかもっと静かにしゃべってー……。頭に響く」