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可愛いヒモの育て方。
第14章 就活
「あーあ。自爆。何してんの」
「……うっせ」
上体を起こし、盆ごと受け取る。水の入ったコップと、ご飯茶碗に入ったおじや。三粒の錠剤。
「あんた、おじやなんて作れんの?」
「野菜とご飯鍋に入れて、煮るだけじゃん。味付け適当だし。誰でも作れますって。お粥じゃ、味気ないかなって思って」
「……もうお母さんて呼んでいい!?」
「やめてください。自分より年上の女性から呼ばれたくないし、性別無視しすぎだしっ」
麻人のすねたような顔に、思わず笑みがこぼれる。
私も笑って、おじやを一口食べた。
「普通に美味しいし」
「良かった。それ頭痛薬、食べ終わったら飲んでください」
「はーい。今何時? 彩乃は帰ったの?」
麻人が携帯で、時間を確認する。
「二時十七分。彩乃さんなら、起きてすぐ帰りましたよ。本当は今日仕事休みのはずだったらしいんですけど、新商品がいろいろ入荷してくるらしくて、棚とか在庫とか整理するから、急遽出てくれってメールがきてたらしいです」
「そうなんだ」
綾乃が働くアダルトショップは自営業。それも、親戚が経営してるとあって、そういう急な仕事も断れないのだろう。