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可愛いヒモの育て方。
第15章 喫茶店

達筆な、綺麗な文字を見ていると、言い様のない憤りが湧いてくる。おそらくマサルの奥さんの文字。
私の知らない今のマサルをたくさん連想させる。
ふと、この感情がなんなのかを考えた。マサルに未練はない。それは確かだ。今は麻人が好きだ。
だけどマサルの言葉や行動は、いつまで経っても私の中から消えてくれない。
ーーまだ忘れられてないなら、一回会って綺麗に清算してきたら?
彩乃の言葉が脳裏を巡った。
清算。何を清算するっていうの? 会って何か変わるんだろうか?
そうするつもりなんてさらさらなかったけれど、今日のクッキーで気が変わった。これもきっと何かの縁だ。
私は部屋に戻って、シフトを確認した。次の休みは四日後だ。
その日に会いに行こうと決めた。

