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可愛いヒモの育て方。
第15章 喫茶店

昔から、突発的な思いつきに対しての行動力はある方らしい。子供の頃、母親にも言われた。
次の休みにマサルに会いにいく。私はその思いつきを、実行した。
車にはナビがない。あらかじめ、ネットで行き方を調べてから、マサルのいる喫茶店に向かった。そのおかげか、土地勘のほとんどない私でも、迷わず目的地に着くことができた。
外観は、白と茶が基調のシンプルなデザイン。小さいこじんまりとした店だった。ドアの横の茶色いプレートに、白い文字でリースと書かれていた。
店の横に駐車スペース。車が五台ほどおけるようになっている。そこに車を停めて、喫茶店へと向かった。今はちょうど午後二時をまわったところだ。平日というのもあってか、私の他に車は一台しかなかった。
喫茶店の入り口まで行って、私の足は止まる。勢いだけで来てしまったけど、どんな顔でマサルに会ったらいいのか正直わからなかった。
別れてから、連絡は一度も取っていない。もちろん会ったりもしていなかった。突然彼を訪ねて、今さら何を話したらいいのかわからなかった。

