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可愛いヒモの育て方。
第15章 喫茶店

きっかけはそれだったけども。
「じゃあ、なんでだ?」
「私今、飲食店で働いてるんだけど、そこでバイトしてる子が、ここの手作りのクッキー持ってきたの。いろいろあって、バイト出れなくなるからって」
「なんでまたここのクッキー? 確かに、売ってるけど」
「好きなの、うちの店長が」
マサルは眉間に皺をよせ、怪訝な顔をしている。
「そのバイトの子って、高校生くらいの小柄な男の子か? なんか、ほんわかしてる感じの」
「なんでわかるの?」
「この前そいつが来て、クッキーだけ買ってったから。チョコとバニラ一袋ずつ。クッキーだけ買ってくやつなんて初めてだったから、記憶に残ってた」
「多分その子に間違いない。……高校生じゃないけどね」
マサルは腕を組む。
「そういえば、スーツ着てたな」
「へー」
面接の帰りにでも寄ったのか。麻人のスーツ姿を思い浮かべ、つい笑みが浮かぶ。童顔だし、似合わなそうだ。
「笑った顔は、高校生の時と変わらないんだな」
「覚えてんの?」
「元カノだしな」
「……セフレの間違いじゃなくて?」
ついそんな言葉が口をついて出てしまい、私はマサルから視線をそらした。

