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可愛いヒモの育て方。
第16章 削除
あれれ? その展開は、なんだかいつもと違う。家政婦兼ヒモな麻人なら、掃除も家事もご飯も、全部してくれるのになぁ。
最近本当にお母さんだ。
私はしぶしぶと、ゴミ袋を取りにいった。
「一時間以内に、人が住めるレベルにまで片付けますよ」
「いや、だから私住んで……」
「よーいどん!」
なんだその、小学校の運動会みたいなかけ声。
面倒くささマックスだけど、そうも言ってられないか。私は仕方なく、ゴミ袋を広げてゴミを拾った。
それからおおよそ一時間後。
「おお、なんだかんだ綺麗になってる」
「ね? 二人でやればあっという間っしょ? あとはひたすら洗濯まわして、干すだけっすね」
「だね」
足の踏み場もなく、散らかり放題ゴミだらけだった部屋は、見違えるほど綺麗になった。シーツも取り替えたし。本当は掃除機もかけたいけれど、換気で窓を開けてかけるには時間も遅いから、明日にまわした。もちろん、麻人にさせるつもりだけど。
洗濯は、溜めに溜めたせいで、何回まわしたらいいやら。一回分はすでに干してある。今は二回目がまわっている。
「毎度毎度、お見それいたします」