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可愛いヒモの育て方。
第16章 削除
せっかく今日は麻人が来てるし、使ってみようかな、という気になってくる。
性欲増大、とかなんとか書いてあったし。
「ねえ麻人。たまにはお湯、張る?」
脱衣所から出て声をかける。
「珍しいっすね。別にどっちでも」
「この前飲んだ時、彩乃が入浴剤くれたんさ。温泉のお土産に」
「彩乃さんも温泉行ったんすか?」
「らしいよー。で、一人の時に使うのも、なんかもったいないし、使う?」
性欲増大だし。
「じゃあ、使う」
「はいよ! 湯を溜めねば」
「あ、ちゃんと浴槽洗ってくださいね!」
「わかってるって!」
私は脱衣所に戻り、袖を捲った。確か、入浴剤は脱衣所にもってきてたはず。シャンプーやらコンディショナーの詰め替えを置いておく、ちょっとしたスペースの中に入浴剤もあった。
急いで、だけど入念に浴槽を洗い、湯を溜めながら部屋に戻ると、麻人がパソコンの前で何やら操作していた。
そう言えば、ずっとパソコンつけっぱなしだった。しかも小説を整理していたため、隠しておいた小説のフォルダを開いたままだ。また読まれたと思い、麻人の元へかけよった。