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可愛いヒモの育て方。
第20章 好転
私は再び顔を手首に寄せ、痕を辿るように、舌を這わせた。
「……くすぐったい」
そう呟きつつも、手を引っ込めようとはしない。舌先でつついたり、舌全体で舐めまわしたり、唇でついばんだり、執拗に手首を愛撫する。
時折ぴくりと反応する麻人に、なんだかその気になってきた。手首をなぞるだけだった舌を、今度は指に移動させる。手の甲をたどり、初めは人差し指。指の横からすぼめた唇でなぞり、指の先をすっぽりとくわえた。
爪の先まで味わい尽くすように、唾液と舌を絡める。くわえたまま麻人を見上げると、麻人の視線は私の口に釘付けになっていた。
その目が徐々に、欲情に濡れていく。中指も、薬指も、同じように時間をかけて味わった。指と指の間まで、丁寧に舐めていく。少しずつ体の芯に火が灯り、くすぶり始める。
ふいに麻人が私の方へと身をのりだし、麻人の指をしゃぶる私の頬に、片手を添えた。
「エロい顔……」
気持ちよさげに目を細め、麻人が呟く。そんな表情を間近でされると、麻人に口淫でもしているような気分になってきてしまって、私の方がドキドキしてしまう。