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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ
「おかえり」
「とりあえず戸締まりは合格」
「……そこもチェック対象だったっけ?」
なんとまあ抜け目のないことで。
「もちろん。だって物騒じゃん。てかお腹すいた。ご飯作ってある?」
「ちゃんと作ったよ。温めればいいだけ」
「じゃあ早く温めて」
そう言うなりずけずけと、部屋まであがりこんでくる。まったく、私がするようになってから、麻人はちっともご飯作ってくれなくなった。料理の腕はまだまだ麻人の方が上なのに。
部屋に入るなり、早速お掃除チェック。散らかってないかとか、ごみはちゃんと出してるかとか、洗い物は溜まってないかとか。
いっつもこの時間はドキドキだ。
「うーん、合格」
「よし!」
思わず麻人に向けて、ガッツポーズ。
「普通、できてて当たり前のことなんだけどねー」
「だったらなんでチェックなんかすんのっ。麻人最近姑みたい」
「最初ヒモでしょ? そっから家政婦、弟、いい嫁、オカン、最後姑って。もう七変化(しちへんげ)じゃん」
そう言って麻人が笑う。ん? でも待てよ? 指折り数えてみて気付く。七変化とか言いつつ、六しかない。