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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ
「それ、六しかないから。……『彼氏』兼、姑でしょ?」
今挙げた六つが私にとっての麻人の存在価値だったら、七つ目のそれは欠かせない。……はず。てか、七つ目が一番重要なのだ。今の私にとって。
麻人は笑うのをやめて、代わりに大きく目を見開いた。ぽかんとした間抜け面で見つめられ、私はむっとして無意識に唇を尖らせてしまう。
「……何よその顔。間違ったこと言ってないでしょ?」
私の言葉に、今度は笑い出す。
「なんで笑うのっ! 彼氏でしょ!」
「……なんでそんなムキになってんの」
麻人はもう爆笑。腹まで抱えそうな勢いだ。
「うわ、うっざ! もう知らんっ! せっかくカレー作ったのに、絶対やらん!」
麻人の好物はカレーだ。毎日食べても飽きないんだって。そういえば、バイトのまかないでも、いつもカレーを食べていた気がする。見た目も中学生みたいに幼く見える時があるけど、好きなものまで子供みたい。
「えーカレー食べたい」
「やだ、あげないっ」
「そんな、食い意地張った子供みたいなこと言わずに。こんな時間に食べたら太るんじゃね?」