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可愛いヒモの育て方。
第22章 エピローグ

 唇を離し、一言。

「じゃあもう『彼氏』以外外していいよ」

 にーっこりと笑いながら、そういうことを言うのは反則だと思う。私は熱くなった頬を隠すように、とっさに唇を腕でぬぐった。ごしごしと。

「拭いた! ひどっ」
「うっさい」

 もう一発喰らわせてやろうとした蹴りは、今度は綺麗にかわされてしまう。

「いいから早くカレー! ゆーりのカレー食べたい!」
「……わかったってば」

 キッチンに行って、鍋のカレーを温める。味見をしたら、いつもよりちょっと甘めだった。まあ、麻人用のお子ちゃまカレーということで。
 その間にご飯をよそり、作っておいたサラダを冷蔵庫から取り出す。コップには氷を入れて、麦茶を注いだ。
 布巾でテーブルを拭いて並べていると、麻人がパソコンの前に座っているのに気付く。
 やばっ。またパソコンつけっぱなしだった!

「もう、また勝手に読んでる」
「……これ新作?」

 ワードで書いていたそれを下へとスクロールさせながら、そう聞いてくる。

「うん、まあ。最近書き始めたやつ」
「へー。読んじゃおっ」
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