この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
快楽の窓〜ショーケースの向こう側〜
第8章 3P
「でも葵ちゃんはすごいよ。」

唐突に凛が切り出した。

「だって、達樹様が達樹様付きのメイドにいきなりしたんだよ。」

「そんな、まぐれだよ。だって私凛さんみたいな才能とかないし。」

「うんとね、春風姉ちゃんも私も学園を卒業してから達樹様付きのメイドになったんだよ。」

「それは、聞きました。
 なんか私は異例だって。」

そうだ、葵は異例。
東条にとって何のメリットがあるのだろうか。
東条付きにするとしても学園を出てからでもよかったのではと思う。

「春風姉ちゃんも凛の部屋もねひろーいお部屋だったけど何にもなかったんだよ。
 家具やインテリアは好きなようにしなさいって他のメイドさんや執事くんと一緒に選びに行ったんだー。」

「え?」

「葵ちゃんの部屋って、前からあるんだよ。
 お掃除で入った事あるもの。
 家具とかインテリアなんかもアンティークの高くて可愛いものばかりだよね。」

「誰か前のメイドさんのものじゃないのかな?」

「うーん、だとしても普通出て行ったメイドさんのものは処分しちゃうんだ。
 それに春風姉ちゃんが来るずいぶん前からあるみたい。
 葵ちゃんが来るまであの部屋は誰も使ったことがなかったんだ。」

そう言って凛は不思議そうな顔で葵を見つめる。

「きっと達樹様にとって特別な部屋なんだと思う。」

「特別な部屋……?」

「うん。だから葵ちゃんは達樹様にとって特別なんだね!
 どー?達樹様のことちょっとは好きになったぁ?」

凛はにこっと微笑んだ。
東条にとっての特別。
それは葵には何にも思い当たる節はなかったのだったが、葵もあの部屋はすごく心地が良くて好きだった。

「うーん。
 好きかはわかんないけど、お部屋は大事に使おうと思います。」

と凛に返した。
葵にとって宙ぶらりんだった特別感だったが初めて一つだけ確かなものを手に入れたような気がした。
特別な部屋。
あの部屋の意味をいつか、ここで生きていく覚悟が決まった時に知りたいと葵は心の中で思うのだった。
/79ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ