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蛇神様の花の宴
第5章 バレンタインデー
「いっ――――!」

爆ぜる。
全てが弾け飛ぶ。

次の瞬間、美鎖は漆黒の海に投げ出されていた。

音のない波間。
圧倒的な孤独の海。

美鎖の体は黒い水の合間に浮き沈みする。

あまりにも自分はちっぽけで、すぐにも飲み込まれてしまいそうだった。
いや、もう飲み込まれてしまったのだろうか。

暗闇に月の光が差して、美鎖はぼんやりと目を開いた。

見ると、穂波がこちらをのぞきこんでいた。
優しく頭を撫でてくれる。
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