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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
 葛木は頼もしく頷いて立ち上がった。乳母が戻ってくるまで徳姫は気もそぞろだった。
 黄昏というのは、邦昭の乳人を務めていた者で、目下は永尾城の奥を取り仕切る侍女頭の地位にある。早くに生母を失った邦昭の母代わりとして絶大な権力を持ち、義弟の保邦と共に邦昭が心を許す唯一の存在であった。
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