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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第3章 転機
 小首を傾げて後ろに控える葛木を振り返ると、葛木も当惑顔である。部屋そのものはけして騒々しいというわけではないのだが、時折、内から洩れてくる衣ずれの音や荒い息、女のあからさまな嬌声がかえって部屋内で行われている密事(みそかごと)の淫らさを物語っているかのようだ。
 しばらくして漸く事の次第に気付いた徳姫が頬を染めてうつむいた時、襖が音を立てて開いた。
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